【記事を読む前に】
まずペーパーマリオ オリガミキングを知らない方はトレイラーを見よう。
興味が湧いたら紹介映像も見よう。
【前置き終わり】
===========
☆目次
- ☆ペーパーマリオRPGという作品について
- ☆ペーパーマリオシリーズの転機
- ☆すべてが一新されたペーパーマリオシリーズ
- ☆私が求めていたのは…
- ☆2020年5月14日
- ☆2020年7月17日を心待ちにして
- ☆2020.7.17追記
※全体的にペパマリシリーズ内容のネタバレが多いので、未プレイの方々はご注意ください。
===========
☆ペーパーマリオRPGという作品について
ペーパーマリオRPGという、私にとっては神作品どころか、もはや呪いめいているくらいに好きな作品がある。
当時の公式サイトの紹介ページ。HTMLが懐かしい感じ!
2004年に発売された、ニンテンドーゲームキューブのアクションRPGゲームである。
※ペーパーマリオシリーズとしては、2作目となる。1作目はN64「マリオストーリー 」。
色々と歴史を語ろうかと思ったが、別に歴史を語っても無駄に長くなるだけなので、この作品に限りまずは話を進める。
【※以下ガチでネタバレをするので注意です※】
この作品、信じられないほどゲームプレイヤーの興味をくすぐる技巧に満ちていて、ハチャメチャに面白いのである。
ストーリーは割と一本道で、「宝の地図を見つけたピーチ姫から誘いを受けゴロツキタウンという街に来たらピーチ姫の姿が見つからず、地図によって宝を探していきながらピーチ姫を見つけよう」というのがおおよその目的である。
これだけ書くといつものマリオじゃんという感じだが、ここに個性豊かな仲間たちが加わり、彼らと協力しながら宝を集め、悪巧みに使うために宝を狙う敵とも戦い、最終的には世界も救っちゃう…という、当初の目的からは考えられないほど異様なスケールのでかさで幕を閉じるオモシロストーリーが展開される。(まあ、でもここまではいつものマリオと言われてもおかしくはないか)
さて、このメインストーリーを進めるパートが当たり前だが面白い。基本的に9割くらいはマリオパートなのでステージの謎解きをしながら進むのだが、この謎解きに関わるのはマリオ一人だけでない。各ステージで出会う沢山の仲間たちの力を借りなければならないのだ。
この仲間たちはもちろんステージギミック解決の手法として、あるいはバトルでの補助的な役割を果たしてくれる、所謂「ゲームを進めるための手段として」作用するのもたしかだが、それぞれのキャラクター造形自体に趣向が凝らしてある。
彼らはそれぞれに色々とバックグラウンドを抱えており(あるいは、我々の目の前で誕生する!)、冒険譚はとても賑やかなものになるのだ。物語の随所で起こる会話シーンには常にクスリと、あるいは感動させられる。
最初に仲間になるのは大学生のクリボー、クリスチーヌ。見て!このかわいい姿!そしてフィールドではありとあらゆるものを調べてコメントしてくれる。重要なヒントから、どうでもいい情報までいろいろくれてとにかく聞き飽きない。
ここから仲間たちの良さを深掘りして語れば千夜一夜物語もびっくりの数の夜を明かすことになるのだが、それはちょっと長いので今回は割愛し、次の話をしよう。
あっ、ちなみにギミックは仲間だけではなく、マリオ自身にも増えていく。このギミックはいずれも「紙」であることを生かしたものであり、謎解きのバリエーションを大いに増やすポイントになっている。
HPにほとんど載ってた。このほかにロールモードという、マリオが丸まるモードがあるのだが、これを利用してカジノで遊べるモードがあり、これが障害物競走みがあって私は非常に好きだった。
さてさて、次もかなりの魅力ポイント、ステージの面白さについてもたくさん話しておかねばなるまい。
マリオパートで奔走する8のステージは所謂テンプレート的な森や海のステージだけではなく、「闘技場(勝ち抜きバトルによる熱い戦いと闘技場運営の裏事情を暴くほのぐらい物語が同時展開される)」や、「豪華列車(3日間の素敵な旅かと思いきや列車内では事件が起こりまくり、探偵になって事件解決に奔走する)」など、かなり異質なものも多く用意されていて、単なる「戦って強くなって進む」だけのRPG感は非常に薄い。
また、各ステージはそれぞれステージの色彩からその地方に存在するキャラの一人ひとり、要するに細部に至るまで個性が爆発しており、各地方への探訪はワクワク感で満たされる。8ステージの中にあるいろんな街や村では、個性豊かな種族が住んでおり、様々な表情を見せる世界により多くの彩りを与える。(前述した旅に加わっていく仲間たちも、もともとは彼らのなかの一人であることが多い)
みんな大好き闘技場での登場キャラクター。グレート・ゴンザレスって誰?と思う方はプレイしましょう。
この住民たちはステージの進行度合いにより台詞を次々変えるため、ストーリーが進んだらついついまた話しかけてしまう。
しかもなんと、該当ステージのキャラだけでなく、過去に訪れたステージのキャラクターの台詞までもが変わるのだ。マジで信じられないテキスト量のゲームなのである。
そういえば、ストーリーはマリオパートが9割と先程申し上げたが、後1割はピーチ姫のパートとクッパのパートがあり、やはり非常に愉快な物語が各々展開される。
さらにこの物語の中にもアクションパートが存在し、マリオパートでは楽しめない遊びが提供される。(ピーチ姫は主に謎解き+探索パート、クッパは昔懐かし2Dアクションパートとなる。ピーチパートとクッパパートを心待ちにプレイした方々も多くいるだろう。嗚呼、ピーチ姫のシャワーシーン…)
さて、このゲームがストーリー面で愉快なことは伝わったかと思うが、まだまだ!バトルだって大層愉快である。
まず、攻撃するにも防御するにも、アクションコマンドというものが存在している。このコマンドは各攻撃や防御により異なる入力を求められ、成功するとダメージが増加/減少するものである。テンポが良く、常に入力を求められるから、選択肢を選んでからテキストによる結果が出るまでボーッと待っているような無駄な時間は存在しない。
HPに書いてある内容、めっちゃ網羅されてていい。
さらになんと、マリオと敵とのバトルは劇場で展開されるようになっており、観客がそれらを見守っているのだ。この観客たちは時に応援してくれ、時にはヤジが飛ぶ。また、ステージは手作りの劇場なので、地震があればセットが倒れてくるし、時には舞台裏のバケツが落ちてくることもある。これらの仕掛けをうまく利用しながらバトルしなければならない。
なんで唐突に劇場なのかは意味わかんないけど滅茶面白いんだよなあ。
これらが相互に組み合わされながらラストまで突き進むゲームがペーパーマリオRPGという信じられないゲームなのである。
ビビアンが写ってるものは何かしら1枚載せておかないといけない気がした。痛そう、ごめん…。ちなみに私の最も推しの仲間はバレルじいさんです。
☆ペーパーマリオシリーズの転機
この作品のヒットを受け、続編が作られた。これが、「スーパーペーパーマリオ」である。
ペーパーマリオシリーズとしては3作品目であるこの作品は、更なる挑戦としてRPGというジャンルを捨てアクションとして生まれ変わった。
2Dと3Dを自在に変更できる「次元ワザ」の存在が、新しい遊びを生み出した作品である。(そもそも、ペーパーマリオシリーズの制作元であるインテリジェントシステムズは基本的にチャレンジ精神が旺盛なので、毎回新しいシステムを導入してくる。とても素敵だと思う)
次元ワザの例。普段は上の画像のように2Dだが、ワザを使用すると下の画像のように3Dになる。
しかしながら、この作品は、発売直後(本当に本当に直後)はセンセーショナルな次元ワザが多く取り上げられていたが、今現在はアクション内容よりもストーリー内容について語られることの方が多いように思う。
何故なら、ストーリー内容があまりにも「濃く」「重く」「刺さる」からである。
物語の概要としては、ピーチとクッパの結婚式(もどき)により発生させた「コントンのラブパワー」を使い悪事を企む敵「ノワール伯爵」を止めんがために奔走する……というものだが、ストーリーが進むにつれその物語は重みを増していき、ラストには筆舌に尽くしがたい感動が待っている。
ちなみに、表向きのストーリーだけでないバックグラウンドを理解しようとするとかなり考察が必要なゲームともなっており、膨大な裏設定は各所でヒントがあるものの、大体はとある人物からコインを使って聞き出すことができるものとなっている。(考察好きには最高の素材である)
ただ、この話のあとにペーパーマリオシリーズとして発売された「ペーパーマリオ スーパーシール」は、バトルもストーリーも様変わりしたようだ。
私はシールは後述する理由により未プレイなので詳しくは分からないが、当作品に関しては、当時の「社長が訊く『ペーパーマリオ スーパーシール』|ニンテンドー3DS|任天堂」にて、このようなやりとりがある。
===引用開始===
岩田
宮本さんが今回の『ペーパーマリオ』で
ねばって、こだわっていたところというのは、
具体的にはどんなところだったんですか?
田邊
「これまでの世界観と大きく変えたものにしてほしい」
ということのほかに、宮本さんにプロジェクト当初から
言われてきたことは大きくは2つあって、
「ストーリーはなくていい、必要なのか?」ということと、
「可能な限り『マリオ』の世界のキャラだけで完結してほしい」
ということでした。
岩田
むずかしいお題ですね。
ある意味、ここ最近のシリーズの方向性とは、
まったく逆になってしまうわけで。
田邊
はい。ただストーリーに関していうと、
前作『スーパーペーパーマリオ』(※24)の
アンケートをクラブニンテンドー(※25)で調べたところ、
たしかに「ストーリーがおもしろい」という人は、
1%にも満たなかったんです。
「3Dと2Dを切り替える次元ワザ(※26)が
おもしろかった」という意見が多くて。
===引用終わり===
この後に、制作スタッフはかなりの「制限」が課された話をしているが、たしかにそうなのだろうと思う。
読んだ当時は(従来3作のスタンスが好きだったことから)かなり憤ったものだが、今冷静になって読み返せば、このやり取りがあったのはもっとものような気がしてきた。
まず、当時のクラブニンテンドーのアンケートは、クリアする前でも回答が可能であったこと。スーパーペーパーマリオの重くも美しい物語は、特に終盤にかけて加速する物語だった。一方でプレイ前半は盛り上がりに欠ける平坦な部分・もしくは過剰なネタシーンも多く、物語の内容よりもむしろアクションの目新しさにプレイヤーの目が向かったのは当然のことだと思われる。
もう一つは、そもそもスーパーペーパーマリオの物語は、極論を言うと「マリオが主人公でなくとも成立した」と言うことが挙げられるのではないかと思う。
ペーパーマリオというブランドだからできたこともたくさんあるのだろう。このブランドだからこそのアクションや、物語だったことを頭ごなしに全否定するつもりはない。
しかし、この物語、既にプレイした方なら分かるかと思うが、後半はほぼオリジナルキャラクターによって話が進む。物語のラストに至ってはマリオが入り込む余地がほぼないと言っていい。
次元のハザマというストーリーの形式から、普段よく見るキャラと比べると住民から敵まで、ほぼ全てが異なっている。スタッフが全部一からキャラデザをしているということになるので、世界観作りにめちゃくちゃ力が入っているのは分かる。
そういった部分を、もう一度見直す必要がある。という意味でこのようなオーダーが出されたのではないか。
だとすれば、スーパーペーパーマリオより後の作品からガラリと作風が変わるのも納得がいく。
☆すべてが一新されたペーパーマリオシリーズ
しかし、ガラリと作風を変えたことから切り捨てられた過去の重要な遺産はかなり膨大なものとなってしまい、結果的に「スーパーペーパーマリオ以前の3作品」と、「ペーパーマリオ スーパーシール」以降の作品では、いくつかの内容が決定的に違うものとなってしまった。
個性豊かなキャラクターの数々はすっかりみる影もなく、サブキャラはそれぞれ味方はキノピオたち、敵はクッパ軍団(とその他)が担うようになった。
上から、「ペーパーマリオ スーパーシール」と、その次の作品「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」のHPトップページのスクリーンショット。マリオシリーズのプレイヤーなら見知ったキャラクターばかりで、知らないキャラクターの影はほぼない。
仲間との冒険も、それぞれ一人ずつお供となるキャラクターはいたようだが、自身のジャンプとハンマー、そして数々のメンバーを切り替えて進むギミックは「シール」などの、無機物によるただの手段へと変わってしまった。
例えば、スーパーシールの完全オリジナルキャラクターは、聞き及ぶ限りでは上段真ん中「ルーシー」しかいない。
さらに、ステージの作りも、それぞれがシームレスにつながり、土管一つでどこまででも行き来できるものではなく、いわゆるステージ選択制(マップからステージを選択し、そのステージ内で遊ぶもの)となっているようだった。土管をくぐればとんでもない場所、あるいは過去にクリアしたステージへ…!といったことがどうも、できなくなっているようである。…これについてはエアプなので、もしかしたらそんなことはないのかもしれないが…。
カラースプラッシュの公式サイト。丸の部分をクリックすると説明が出てくる。これはこれで楽しいのだが。
☆私が求めていたのは…
ペーパーマリオシリーズの愛好家たちは、それでもこれらをプレイして、色んな感想を持っているようである。「これはこれでよい」「こっちの方が好き」「前の方が良かった」等等等…
しかし、私はスーパーシールと、WiiU用ソフト「ペーパーマリオ カラースプラッシュ」をプレイしていない。
なぜなら、新作が出るたびに期待して情報を求めたものの、その中身を知れば知るほど、この作品たちへの興味が遠ざかっていってしまったからだ。
これらの作品を購入しなかったのは、両方ともちょうど人生の分かれ道の年だったことから時期的にプレイが厳しいということもあったが、多分、それだけではない。なかった。
私は、なにより「ペーパーマリオRPG」の、続編をやりたかったのだ。
応援したくてたまらない大好きなシリーズだったのにその最新作(×2)をプレイする気にならなかったのは、興味を失うと同時に、とても悲しかった。
でも、本当の気持ちでもあった。
物語を進めるたびに話を変える様々な住民たちとの多愛ない会話を聞くことが。
色んな街を縦横無尽に駆け回り、そのギミックに心躍らせることが。
アクションコマンド制の、ドキドキハラハラする劇場型のバトルが。
なにより、あの個性豊かな仲間たちと謎を解きながら歩くことが。
私はそういう体験を、もう一度プレイしたかったのである。
(※なお、シールとスプラッシュをプレイしていれば少なからずこれらの渇望を満たすこともできたのかも知れないが、当時は絶望感の方が大きく、食指がわかなかったことを許してほしい。今改めて紹介映像などを見ると、プレイしたらとても面白いと思うのだろうと今では思う)
☆2020年5月14日
さて、2020年5月14日のこと。
突如任天堂から発表されたのは、ペーパーマリオの新作、「ペーパーマリオ オリガミキング」のトレーラーである。
ペーパーマリオRPGに心奪われてからずっと、ペーパーマリオの最新作に関する第一報が出たとき、必ず私は期待してきた。RPGのときの感動を、またプレイできるのかしらと。
残念ながら、シールのときと、スプラッシュのときは、その期待の熱は情報が公開されるにつれ徐々に冷めていき、購入に至るまでの熱量を発売日まで保つことができなかった。
今回も例に漏れず、期待した。
だけど、今回の期待は、その熱を失うことがなかった。
それどころか、すごい、すごく、ものすごくやりたいと思ったのだ。
もう一度、トレーラーと紹介映像を見てほしい。
なにこれ?
やりたい!!!!!!!!
シームレスステージ制!!!
キノピオだけじゃない独自モブキャラ!!!
バトルに観客がいる!!!
後ろに仲間がいる!!!!!!
仲間といっしょに戦える!!!!!!
ほかにも、あらゆる遊び、物語の集大成!
直感的なものだが、およそ15年ぶりに、心から「やりたい!」と思えるペーパーマリオと出会えた。
なんてことだろう。
些細なシステムの一つ一つを、こんなに待ち望んでいたのかと驚きさえした。
2004年にプレイして感動した、ペーパーマリオRPGの続編ではないのは確かである。
しかし今回の作品は、それを待ちわびた私にとって十分に「回帰的な」それでいて「新しい」内容を提供してくれるように思えたのである。
☆2020年7月17日を心待ちにして
3作目までの挑戦の結果である、4作目からの大幅な方向転換。この転換によって、私は残念ながら、その後の2作分ペーパーマリオの新作を触れずに過ごしてしまった。
だけど、今回のマリオは、そんな昔の作品が好きだった私のことも救済してくれるようなシステムやストーリーの導入をしてくれた。
私のように、過去の作品に心とらわれてしまった者だけではなく、シール以降しか遊んでいないペーパーマリオファンにとっても十分に魅力的な世界を作り上げるのに、さぞかしスタッフは苦慮したものだろうと思う。
発売前の評判を聞くと、やはりシリーズのファンの間では賛否両論の部分もあるようだ。
しかし、あれだけ途中で違う方向に舵を切ったシリーズが、時を経てその内容をブラッシュアップしながら過去のファンも拾い上げてくれるような作品へと仕上げてくれたことがとても嬉しくありがたく思うし、この作品を大いに期待して待ち、プレイすることが感謝のしるしの一つとなりうると信じている。
どうか今作品が、過去のファンから新規ファンまであらゆるプレイヤーを虜にする、新たな紙(神)作品となってくれますように!
…なんて文を先週からボチボチ書いていたところ、気付いたら一週間を切っていた!
楽しみに、楽しみに待ちたいと思う。
【動画・画像の元サイトについて】
画像はいずれも公式チャンネル内の動画、もしくは公式サイトからのスクリーンショットとなっています。
掲載元は以下のとおりです。
ペーパーマリオ カラースプラッシュ | Wii U | 任天堂
ペーパーマリオ オリガミキング | Nintendo Switch | 任天堂
☆2020.7.17追記
とうとう発売されましたね!早速いまプレイしております。とりあえずボス戦形式のバトルの3回目までは終えました。
一言で申し上げますが、今のところペパマリ懐古厨の方もマストプレイの作品だと思います。
今後こちらのブログやTwitter(@lgel8937)にて色々お話ししていきたいと思います〜。
任天堂さん、大ボリュームの新作をありがとう!
是非皆さんもプレイなさってください!そしてみんなでペパマリをもう一度盛り上げましょう!